ALOEVERA [アロエベラ]

科名:ユリ科アロエ属
和名:アロエ・ベラ
香りのイメージ:青々しい香り・無臭
効能:保湿効果・抗炎症効果・美肌効果
アロエはユリ科の多肉植物の一種で、アラビア語で苦みと輝きを意味する「Alloeh」という名詞に由来しています。テキサス州・ニューメキシコ州・カリフォルニア州の南部国境地域をはじめ、世界中の亜熱帯地方で広く栽培されています。
アロエベラは、地面近くから葉が折り重なるように生えてきます。長く伸びた肉厚の葉は緑色から灰緑色で、葉の縁にはトゲがあります。夏にレモンイエローの花が穂の上に咲きます。日本での開花期は5月です。
アロエには多くの品種がありますが、薬用・食用とされる品種のひとつがアロエベラです。
アロエベラは古代エジプトにおいて女王クレオパトラの美の秘訣であったと語り継がれています。アロエの樹液をベースとしたジェルや化粧水をつくり、エジプトの強い日差しから美しい肌を守っていたそうです。
昔から肉厚の葉からとれたジェル状の粘性の液には、肌柔軟・保湿・整肌・血行促進などのさまざまな作用があり、重宝されてきました。
また紀元前2000年頃のエジプトでは「不老不死の植物」として用いられてきたといわれています。ピラミッドのミイラの棺で発見されたパピルスという書物には、アロエが人々の美容と健康を支える植物として愛用されていた記述もあったそうです。日本では食べてよし、塗ってよしの「医者いらず」といわれて、民間療法でよく用いられてきたハーブでもあります。
アロエベラの効力を秘めているのは、肉厚の葉の内側に含まれる透明なジェル状の部分です。その粘性の液には約200種類もの有効成分が含まれています。そのひとつ「アロエシン」という成分にはビタミンCと同じくらいの美白効果があり、メラニン色素を作るチロシナーゼの働きを抑えるといわれています。肌柔軟・保湿・整肌・血行促進などさまざまな作用があり、美肌効果も期待できます。また傷ややけど・日焼けなどの炎症を抑え治りを早める作用があります。近年では放射線によるやけどの治療にも用いられています。真夏の日焼けや、乾燥してしまった肌のケアとしても重宝します。
アロエベラの葉肉とアルコールをミキサーで混ぜ、精製水やグリセリンを加えたものを消毒した容器に入れて保存すると、保湿性の高い自家製の化粧水として使えます。
好きな香りのエッセンシャルオイルを混ぜるのもおすすめです。
またアロエベラには、「アロイン」と「アロエモジン」という成分が含まれていて腸内環境を整えてくれます。アロエベラの葉は大きく、皮を除いた半透明の葉肉部分は無味無臭のためそのままヨーグルトに入れたり、刺身やサラダとしても食べられます。また水や蜂蜜、レモン汁と一緒にジュースにして飲むこともできます。
アロエベラを飲用する場合、妊娠中の方や小さなお子さまは注意が必要です。腸を刺激する働きがあるため、食べ過ぎてしまうとお腹を下す原因となるそうです。また「アロイン」という成分には子宮を収縮させる作用があるといわれています。早産や流産を招くリスクがあるので、摂取量には十分に気をつけてください。