LIQUORICE [リコリス]

科名:マメ科
和名:スペインカンゾウ(甘草)
香りのイメージ:ほのかな森の香り
食用ハーブの効能:抗炎症・抗ウイルス・抗アレルギー・免疫賦活・去痰など

リコリスはヨーロッパやアジアが原産の植物です。地中海沿岸や中央アジアなどに広く自生しており、主根が1〜2mに達することもあるため、深く根を張ることのできる砂地を好みます。

和名の甘草は、根に強い甘みがあることに由来しており、砂糖の50倍もの甘みを持つといわれています。また、園芸でユリ科の彼岸花もリコリスと呼ばれていますが、マメ科のリコリス(甘草)とは別の植物です。

リコリスの歴史は古く、紀元前500年頃から薬用ハーブとして用いられてきました。ギリシアの自然科学者テオプラストスは、リコリスの根を喘息や乾いた咳、肺の病に用いたことが記録されています。現在でもその効能は高く評価されており、漢方でもよく利用されています。

リコリスは、主に根を乾燥させて使用します。煮出して甘草湯にしたり、粉末を甘味料としたりします。根に含まれる「グリチルリチン」は、砂糖の50倍の甘味があるため、お菓子やソフトドリンクにも使用可能です。甘味は強いですが、低カロリーなのでダイエット食品にも利用されます。また、抗炎症作用や抗ウイルス作用、抗アレルギー作用があり、関節炎や気管支炎、アレルギー症状などにも用いられます。副腎皮質を強くしホルモンの分泌を促す作用があるので、イライラや鬱、ノイローゼの改善も期待できます。

ハーブティーでは、単独だと甘味が強く飲みにくいですが、他のハーブの渋みや苦みを抑える効果があるため、ブレンドティーとして使われることが多いです。頭痛や胃痛などの痛みの症状や花粉症などのアレルギー症状を緩和したいときは、鎮静作用があるカモミールとブレンドハーブティーにすると、痛みやかゆみを抑えリラックスすることができます。気分の落ち込みがあるときは、ラベンダーやレモンバームなどの抗うつ作用があるハーブとブレンドするとリラックスして眠りやすくなります。

消炎作用があることからスキンケア用品や薬用入浴剤にも配合されています。アトピー性皮膚炎やあせも・湿疹・ニキビなどに効果があるほか、冷え性の緩和も期待できます。煮だしたハーブティーを入浴剤として利用することも可能です。

甘味が強いため摂りすぎることはないと思いますが、毎日1g以上摂取すると、血中のカリウムが低下することがあります。むくみ・体重増加・血圧上昇・低カリウム血症といった症状が出た場合は、すぐに服用を中止しましょう。症状が続く場合は、医師や薬剤師に相談してください。

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