CHERVIL [チャービル]

科名:セリ科シャク属
和名:ウイキョウゼリ
香りのイメージ:パセリの葉をマイルドにしたような爽やかで甘い香り
食用ハーブの効能:デトックス効果・抗酸化作用・消化促進
見た目と香味がパセリによく似ているチャービルは、「美食家のパセリ」「グルメのパセリ」と呼ばれています。チャービルというハーブが何かわからない方でも、ケーキや料理の上に飾られた黄緑色の葉を見かけたことがあれば、それはチャービルの可能性があります。
チャービルの原産地は、南東ヨーロッパ・西アジアで約10~50cmに成長します。葉は細かい切込みの入った羽根のようで、初夏になると茎の先に小さな白い花が咲く一年草です。水はけのいい土壌を好み暑さと乾燥が苦手なチャービルは、ロシア南部の一部で自生しています。
チャービルの名は、ラテン語で「蝋質(ろうしつ)の」を意味するcerefolium(チェリフォーリュウム)という言葉からつけられたといわれ、フランス語ではセルフィーユと呼ばれています。和名はウイキョウゼリといいますが、花をつけた姿がフェンネル(和名:ウイキョウ)に似ていることから名づけられました。
ローマ時代の文献に登場しており、その頃から食されていることがわかっています。キリスト教徒では、体を浄化する力があると信じられ、復活祭の前の料理に使用されてきた歴史もあるのです。
観賞目的ではなく料理に使うハーブとして利用されることが多く、花がつく前に葉を摘むことで収穫量を増やす栽培方法がとられています。
チャービルには葉を料理に使うものと、根を利用するものの2種があり、葉のチャービルがより多く出回っています。根を食べる種類のチャービルを「ルートチャービル」といい、クルミとニンジンを合わせたような味が特徴です。芋のように大きな根は、スープにして食されます。葉の部分は、毒を持っているため扱いには注意が伴います。
ハーブとして利用されることが多いチャービルは、サラダ・スープ・ドレッシング・魚料理・卵料理との相性がいいです。フランス料理においては、イタリアンパセリ・チャイブ・タラゴンなどハーブをみじん切りにして作る「フィーヌ・ゼルブ」という薬味に加えられており、魚や肉料理の風味づけに利用されます。
チャービルの葉には、ビタミンB群・ビタミンC・鉄・マグネシウム・カロテンの成分が含まれています。ビタミン・カロテン・鉄分は、体の調子を整えるために必要な栄養素で、体内にたまった老廃物を排出し、むくみを解消する作用がありデトックス効果も期待できます。またビタミン類やカロテンは、抗酸化作用もあります。
チャービルの葉が持つ甘く爽やかな香りは、加熱や乾燥することで薄れてしまいます。同じく期待できる効能も弱くなるため、フレッシュなまま使うことがおすすめです。
チャービルはセリ科の植物のためセリアレルギーがある場合には、口にしないようにしましょう。